2015.03.13
職人魂|Puma Japan Suede
3月5日の夜、青山にある会場を後にし店へと戻る足取りは心なしか速く、吐く息の白さを気にも留めないほど興奮しきっていました。
先日のニュースページでも紹介されている〈プーマ〉の最新作。それを記念したレセプション会場にて、現物を目にしながらその逸足にまつわるストーリーを聞いた時、改めて「PUMA JAPAN SUEDE」はまさしく伝統工芸品であり、日本のモノづくりの真髄と呼ぶにふさわしい逸足であることを再確認した夜でした。
「一枚一枚が手作業によってプリントされたスエードを工場で裁断し、各パーツを無作為に組み合わせることで世界に一つしかないPUMA SUEDEが完成した」
聞けば、工場とはあの“塩谷”。〈プーマ〉フリークにはもうお馴染みですが、日本製の「プーマスウェード」はここで生産されており、また日頃はプロ仕様のサッカースパイクなどを手がけています。
そのうちいつかのタイミングで触れますが、一本筋の通った昔ながらの職人気質な仕事っぷりは各方面から注目されており、今作も生粋の職人魂がしっかり注入されているようです。
「個人的な感情が入らないように、生地を裏返してから裁断した」
この話を聞いた瞬間、もう感動を通り越して何か自分の中に流れる日本人の血というか誇りが奮い立つような気持ちになりました。
今作のパートナーである〈sporken words project〉が、ベースとなるプレミアムスエードに“ならでは”のシルクスクリーンプリントを施しているため、あくまで無駄な生地を出さないように、パーツを切り出すことに注力し、それを縫い合わせる時に初めて柄と対面し、“いつも通り”に仕上げていく。
特別なことをするのではなく、当たり前のことを当たり前のようにできた先に、本当のオリジナリティーが現れる。そして、一足一足それを手にし、履く人の顔を思い浮かべながら、“目の前の一足”を仕上げていく。
一期一会の縁を大切に、履く人の手元に届いて初めて完成する『JAPAN SUEDE』のストーリーが、また一つ語り継がれていることを実感した一晩でした。
今シーズンもしっかりと「プーマスウェード」のストーリーが様々な人の手で語り継がれているので、今後も要チェックです。
関連:03.07|PUMA Suede for spoken words project