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2015.03.7

そもそもスケシューってなに?? ②

そして、スケシューは多様に進化

 

80年代にはいると、NBAのスーパースターご存知、マイケル・ジョーダンが自身のシグネチャーシューズ「AIR JORDAN 1」をNIKEからリリースし、バスケットシューズが爆発的なヒットを産む。そこからバッシュを基盤にしたスケートシューズの開発がスタート、様々なメーカーが礎を築きトリック技術の進化、スケートギアの進化に伴い、その時代を反映するシルエットや時代の最先端技術を盛り込んだモデルがその時代を席巻する。

 

昔話ついでの余談を一つ。VANS初のシグネイチャー・シューズ、ハーフ・キャブの生みの親スティーブ・キャバレロや、現在はミュージシャンとしても活躍する、トミー・ゲレロが当時在籍していた伝説のスケートチーム「BONES BRIGADE」のビデオ3作目『The Search for Animal Chin』のなかで、「AIR JORDAN 1」を履いて超弩級のトリックを繰り出しているのは有名な話。バッシュがスケシューの起源の一要因だったことを証明するアーカイブでもある。

Bones Brigade ‘The Search for Animal Chin’ (1987)

https://www.youtube.com/watch?v=STqE9JXgKJU#t=3483

 

JORDANSB

 

現在のスケシューのトレンドは、製法自体が約100年ほど前からあったと言われる “バルカナイズ製法” という、スニーカーの原点とも言える製法を受け継ぐオールドスクールなモデルと、ハイテク系と呼ばれるカップソールに大きく分類できると思う。

 

ザックリ説明すると、バルカシューズは板チョコみたいな生ゴムのソールに半生ゴムをたっぷり塗って、アッパーと呼ばれる靴のメインパーツを載せ、軍艦寿司の海苔巻きよろしく、帯状のゴムでその2つのパーツををつなぎ合わせるような感じ。とにかく頑丈でいて、構成パーツも少なく製作行程がシンプルなことからコストも比較的抑えめで、厚すぎず柔らかい生ゴムソールの恩恵からボードの感触もダイレクトに感じ取れる。VANS「OLD SKOOL」やCONVERSE「Ox」なんかがこれにあたる。

 

OLDSKOOL

 

それとは反対に、時代の最先端技術やマテリアルを惜しげもなく盛り込んだハイテク系のスケートシューズ。これらにはカップソールと呼ばれる足裏を包み込むような受け皿状のアウトソールが一般的に用いられている事が多く、構成パーツには常に最先端の技術革新が盛り込まれている。

 

例えば、摩耗に強いアッパー素材の研究開発や、トリックによる糸の解れを防ぐよう縫製細部に熱圧着技術などを採用したり、NASAでも採用されるような最先端技術を用いた衝撃吸収材を採用するモデルなどが存在するが、少々お値段が張ったりするのがお財布事情の悩みの常だったりする…

 

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スケシューの歴史の中で、進化の過程は様々な方向性を見いだし年代事に多くの名作が生まれてきたが、現在ではこの2大勢力が進化と経過の着地点のように思える。頑丈でコストパフォーマンスに優れたバルカソール、軽量で衝撃吸収性に優れたカップソール。互いにメリット、デメリットに感じる事は個人差があるものの、目的に応じて選べる多様性はスケートシューズの楽しみの一つだと思う。さらに近年では、お互いの良いスペックを混ぜたモデルもリリースされてきて、現代のスケシュー進化の大きな解釈の一つの様に感じる。
個人的な見解だが、各モデルのスケシューに共通する魅力は、シンプルでミニマルなデザイン、ハードなライディングに耐える素材感、快適な機能美、シグネイチャーモデルの存在と理由は枚挙に暇ない。当然、スケートボードありきでスケシューは存在するが、もし、スケートボードに興味のないあなたが、どこかのお店で手に取ったスニーカーがスケシューだったとしたら、スケートボードの歴史に思いを馳せたり、このコラムを思い出してもらえたら嬉しいと思う。

 

関連:そもそもスケシューっなに??①

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