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2015.03.30

スケートボードシューズの進化①

前回のコラムでは、ザックリとスケートボードの起源とスケシューの概念に触れてみた。今回はその流れに沿って、スケシューの進化について少し紐解いてみようと思う。今回はみんなが生まれる前の80年代~90年代初頭当時の体験をもとに、僕の心もとない記憶を頼りに書き出してみた。

 

周りの同級生や女子たちがローラースケートを履いたアイドルにお熱になっている頃、僕は映画の中に観たスケートボード・シーンや、友人宅のVHSビデオで観た若かりし日の “TONY HAWK” が来日して出演したTV番組の映像の衝撃に度肝を抜かれた。

 

 

ここでもやっぱり、足元にはバッシュなどがメインとなっている。

 

僕のファーストデッキシューズは、ホームセンターのトイデッキに体育の時間用として母親に買ってもらった〈asics〉を履き、近所でただ坂道を下るダウンヒルを幼なじみと楽しんでいた。それはランニングシューズだったため、かかとが少し高く、スケートには不向きだったような記憶もある。

 

そして少し大人になると、周りの友人がサーフィンを始め、それに伴って意気揚々と自分も友人が通うサーフショップへ足を運ぶのだが、サーフボードの値段の高さにくじけ、そこにあったブランクデッキのコンプリートをお年玉で購入するのがやっとだった。だけど、そこで初めて、本物のスケートボートとシューズを目の当たりにする事が出来たのは不幸中の幸いだったと思う。

 

前コラムでも触れたように、80年代の「Authentic」を筆頭に、「ALLSTAR」と言ったシューズを履いて滑っている人を良く目にした記憶が残っている。

 

当時、僕のまわりでは「AIR JORDAN」でスケートしているブルジョワなスケーターに出会う事はなかった。僕自身はハイカットをカットオフしたローカットに、シューグーを塗りたくって靴の延命措置をしながらスケートを楽しんだものだ。

 

面白い場所があると聞いて行った、原宿のホコ天で滑ってた人達の中には、スーパースターをチラホラ目にする事もあったが、それがとあるミュージシャンの影響だと知るのはもう少し先のお話。当時のスケシューの多くは、キャンバス素材のアッパーに、ラバーソールといったシンプルなシューズが主流で、クラシック・スタイルのシューズが主流だった記憶がある。

CONSALLSTAR

「CONS OX」

vansauthen
「VANS athentic」

 

superstar
「adias superstar」

 

80年代後半から90年代前半には、ほとんどの人がハイカットのものをチョイスしていたように思う。その後、「AIRWALK one」が台頭してきた時代には、周りのみんなの足元がAIRWALK一辺倒だったような気がする。

 

シンプルなクラシック・スケシューが、厚手のスウェード素材を採用し耐久性をあげ、さらにはオーリーによるアッパーサイド部分の摩耗から身を守るために、その部分だけスウェードが二重になったりと言った、トリックによるシューズの破損を防ぐアイディアが盛り込まれてきたのがこの時代の進化の流れだったように思う。

 

 

AIRWALKONE

「AIRWALK one」

 

さらには足の小指部分に、樹脂製のオーリー・ガードと呼ばれるパーツ追加された靴が増えたり、シューレースが切れたり、邪魔にならないようにシューレースガードと言ったパーツが付け加えられたシューズも登場してくる。今思い返すとそれは、スケートシューズの技術革新、試行錯誤の時代だったように感じる。

 

AIRWALKNTS

「AIRWALK NTS 」

 

AIRWALK 540
「AIRWALK 540」

 

90年代前半まではシンプルなバルカソールのシューズ、バッシュをベースにしたハイカットモデルのスケシュー、新たな専門ブランドがいくつか立ち上がりスケートに特化したデザインや機能を盛り込んだシューズが目覚ましく入り乱れていたように思い出される。

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