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2015.04.30

Reebok INSTA PUMP FURY [リーボック インスタ ポンプフューリー]

現在のストリートシーンにおいて最もポピュラーな〈リーボック〉のスニーカーのひとつとなっている「インスタ ポンプフューリー」。この斬新なデザインのモデルは、今から21年前にランニングカテゴリーのトップモデルとしてリリースされたが、当時リーボックジャパンのプロダクト担当であった筆者は、のちに20年以上も愛され続けるプロダクトになるとは全く想像していなかった。空気を入れるブラッダー(空気室)自体がアッパーの一部となっていたり、アーチ部分のミッドソールをすべて取り去ったデザインは奇抜に映り、「売れたとしても日本市場では1000足以下だな」と思った。実際にリリースされた1994年の売れ行きは鈍く、同年末のファミリーセールに出品されたほど。

 

それが大きく変化したのは1995年になり、〈ナイキ〉の「エア マックス 95」を着火点にハイテクスニーカーブームが巻き起こったことから。このブームの際に「エア マックス 95」のライバルとしてピックアップされたのが「インスタ ポンプフューリー」であり、ファーストカラーのブラック/シトロン/レッド、セカンドカラーのブルー/ブラックはもちろんのこと、マイナーチェンジ後のパープル/ブラックやトリコロールカラーのモデルも大ブレーク。リリースすぐに完売を繰り返した。

 

「インスタ ポンプ フューリー」のヒットは『Boon (ブーン)』などのストリートファッション誌に集中的に取り上げられたのことも大きかったが、もうひとつ大きな追い風となったのが、アイスランドの歌姫ビョークが雑誌『cut (カット)』の表紙において、「インスタ ポンプフューリー」のファーストカラーを履いていたこと。このインパクトは大きく、この情報が他の媒体でも紹介されると、市場から「インスタ ポンプフューリー」は姿を消した。その革新的なデザインはミュージシャンやファッションデザイナーといったクリエイティブな人々を刺激したらしく、ビョーク以外にもエアロスミスのスティーブン・タイラー、当時一世を風靡したファッションブランド〈W&LT〉のデザイナー、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクらにも愛用されていた。

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