2015.05.31
スケートボードシューズの進化⑤ 新ブランドの台頭 DC SHOES特集 中編
前編から続いて2000年辺りから2000年代中盤までのDC SHOESの軌跡を追いかけてみましょう。 今回はDC SHOESがスケートシューズの経験とテクノロジーを活かし、スポーツシーン以外でも大きな繁栄を極めたいくつかのモデルとともに振り返ってみたいと思います。
スノーボード、スケートボード、モトクロス、サーフチームを設立し、いわゆるエクストリームスポーツ業界でその名を轟かす事となった2000年前後のDC SHOES。2000年に入るとさらにBMXチームを設立し、デイヴ・ミラを筆頭にトップライダーを招集、翌年の2001年には彼のシグネチャーシューズをリリースします。そしてエクストリームスポーツ業界を席巻したその勢いを失速させる事なく、アートシーンとの融合を計った『アーティストプロジェクト』シリーズでアート・シーンやライフスタイルシューズの開拓などその勢力を拡大していきます。
OBEY GIANT名義でストリートアーティストとして活躍するシェパード・フェアリー/SHEPARD FAIREYとのコラボレーションモデルを皮切りに、翌2002年には写真家・映像作家、画家として知られるトーマス・キャンベル/THOMAS CAMPBELL、グラフティ・シーン出身のアーティストで現在は近代美術家としての顔も持つカウズ/KAWSとのコラボレーションを発表し、エクストリームシーンを飛び出し、アートやカルチャーなど様々なシーンへの影響力をも発揮していきます。
それから数年間はアート界との蜜月関係も続き、〈GIRL SKATEBOARDING(ガール スケートボード)〉のグラフィックを手掛けていたマイケル・レオンや、パリのグラフティシーンの先駆者である「ANDRE(アンドレ)」とカリフォルニアのアートマガジン「ARKITIP」とのトリプルコラボ、NYストリート・ファッションの雄である〈SSUR(サー)〉や〈SUPREME(シュプリーム)〉といった各界のビッグネームともコンスタントにコラボレーションを完遂していきます。
それと平行して“BRINK 182”のドラマー、トラビス・パーカーや “LINKIN PARK”のボーカル・ギターであるマイク・シノダといったミュージシャンと手を組み発表した『リミックスシリーズ』の人気を追い風にミュージック・シーンへもその名声は響き渡るのでした。
一方、スケートチームとしてはダニー・ウェイが人類で初めて、中国の万里の長城をスケートボードで飛び越えるという偉業を成し遂げます。 2000年代初頭においてダニー・ウェイの活躍は目を見張る物があり、長距離ジャンプでの世界記録の更新、エクストリームスポーツの祭典である「X GAMES」での優勝や「Thrasher Magazine(スラッシャーマガジン)」での”Skater Of The Year” の受賞などなど輝かしい功績を次々と残していくのでした。
次回、DC SHOES最終章ヘ続きます。