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2015.06.20

スケートボードシューズの進化⑥  新ブランドの台頭 DC SHOES特集 後編・最終章<Epilogue>

〈DC SHOES〉の歴史に触れてきた本コラムの最終章では、〈DC SHOES〉の原点であるスケートボードに関わりの深い、歴代の偉大なチームライダーと最新シグネチャー・シューズについて触れてみたいと思います。

 

前序でも既述したDANNY WAY(ダニー ウェイ)はモチロン、後に人気ブランド〈PLAN B(プランビー〉をともに支える事になる、旧友のCOLIN MCKAY(コリン・マッケイ)を含む初期ライダー。90年代後半にスケードボード界を牽引した〈Girl Skateboards(ガール スケートボード)〉のコアメンバーであり、ストリートスケートの次元を格段に飛躍させ、スケート史に残る名作ビデオを数々リリースし現在は〈LAKAI FOOTWEAR(ラカイ フットウェア)〉などを運営する、RICK HOWARD(リック・ハワード)やMIKE CARROL(マイク・キャロル)。〈DGK〉でSTEVIE WILLIAMS(スティービー・ウィリアムス)とともに現役で滑り続けているJOSH KARIS(ジョッシュ・キャリス)など、スケート史に惨然と輝くスーパースターがこれまで〈DC SHOES〉のチームには所属してきました。

DCチーム1997

現在ではチーム創設メンバー数名を含め、新世代のトップライダーが〈DC SHOES〉のチームに所属し活躍しています。

 

■EVAN SMITH(エヴァン・スミス)

2010年頃から頭角を現し、〈ELEMENT〉のDVD”Future Nature”やTransWorldの”Cinematographer”で衝撃のフッテージを披露。今年5月にスペイン・バルセロナで開催された2015年のストリート・リーグ初戦にて予選をトップ通過し、ファイナルでも3位の成績を収めました。

 

 

■CHRIS COLE(クリス・コール)

2005年にThrasher Magazine誌とTransworld SKATEbording誌のSkater of the Yearを同時受賞し、2010年から始まったストリート・リーグに欠かさず参戦。2013年には念願のストリート・リーグ優勝も手中に収めたベテランスケーター。彼の最新シグネチャーモデル「COLE LITE3」には、これまでの〈DC SHOES〉が培ってきた様々なテクノロジーが惜しみなく注がれ彼のテクニカルなトリックスキル、ビッグトリックを支えています。
トリックの度にヤスリ状のデッキテープに密接にこすりつけられるアッパー・つま先部分へは、通常のスウェードの数倍の強度を持つSUPER SUEDE™を採用し、HIGH ABRATION PRINT™と呼ばれる耐摩耗性の高い素材が摩耗頻度の高いつま先部分にレイヤリング・プリントされ強度を増す事に成功しました。そして、踵の衝撃を緩和するミッドソールには、密度の違うUNILITE™を組み合わせる事で、優れたクッション性を実現したDUALITE™ソールも標準装備と言った高性能シューズに仕上がっています。

 

 

■ストリートリーグとは?

ここで、ちょいちょいこの話にでてくるストリート・リーグの事についての豆知識を。

現在、アメリカのスケートボード業界で絶大な人気を誇る大会の一つに、DC SHOES初期のプロライダーであった、ロブ・デューディックを中心に、2010年に発足された”STREET LEAGUE SKATEBOARDING/SLS”があります。世界最高峰のプロスケートボーダーを世界中から厳選・招集し、ストリートスケートのトップを決めるという大会です。このコンテストはスケートコンテストの最高峰に位置付けられ、トップライダーの多くがココを目指しています。

 

今でもフロリダで開催され続けているTAMPA PROやS.K.A.T.Eゲームの最高峰に位置する、The Berrics/BATB、TVでも絶大な人気を誇るX-GAMESなどの大きなコンテストがありますが、これらのコンテストと大きく違うのは、まずは優勝賞金の額。優勝者には現在$200,000(現在の為替レートで約¥2,460万円!!!)の賞金と副賞に加えて、STREET LEAGUE(ストリートリーグ)覇者としての大きな名誉を手に入れる事が出来ます。この名誉はスケート界のNo.1を意味し、その後のビッグサクセスを約束してくれる価値の高いコンテストです。しかし2位以下には一切の賞金はありません。ただ一人、優勝した者のみが、その栄冠を手にする事が出来ます。

 

さらにこの大会がどれほど凄いかって言うと、世界中の多くのプロスケーターから20数名のみがエントリーを許され、年間4戦行われる大会のファイナルに出場出来るのはたったの8名。バスケットボールNBAのFINAL並みの大きな会場で、超満員のオーディエンスが一挙手一投足を固唾をのんで見守る中、セクションに向かってプッシュし、繰り出すトリックへのプレッシャーは計り知れないものがあるでしょう。ちなみに、大会は全世界へネットで生中継され、1億人の視聴数を記録したようです。

 

 

■NYJAH HUSTON(ナイジャ・ヒューストン)

そして、この大会で常にファイナリストとして名を連ね上位を賑わし、度重なる優勝経験を持つ”The prodigy / 天才児”と称されるスケーター、NYJAH HUSTON(ナイジャ・ヒューストン)。現在19歳の彼は、8歳で初めてスポンサーを獲得し、9歳でThrasher Magazine誌のインタビューを受け、10歳で数々の有名コンテストにて優勝を収めています。その後約10年間、スケート界のトップに君臨し、昨年はTAMPA PRO(タンパ プロ)、X-GAMES、SLSの全戦で優勝する快挙も達成、今年も既にSLS初戦とX-GAMESで連勝を勝ち取っているスーパースケーターです。

この若きエリートスケーター、NYJAH HUSTON(ナイジャ・ヒューストン)の輝かしい戦歴を共に築いてきた彼のシグネチャーモデル「N2 by NYJAH」。一般的なスウェードの数倍の耐久性を誇るSUPERSUEDE™を採用したシームレストゥ部分が、正確無比でバツグンのボードコントロールを産み出し、IMPACT G™を搭載したカップソールが彼の代名詞とも言えるビッグトリックの衝撃からかかとを保護。そして異素材を組み合わせ、適度な硬度と可動レンジ域の広い屈曲性に富んだアウトソールパターンが、トリックの際のボディバランスをサポートをしてくれます。

 

と言ったように、既述したトップスケーターからのシューズへのフィードバックに、最先端のテクノロジー素材が組み合わさり、〈DC SHOES〉のハイ・ポテンシャルなスケート・シューズが産み出されています。

 

さて、3回に渡って連投してきた〈DC SHOES〉の歴史、みなさんいかがだったでしょうか?? もっと詳細で専門的な内容は、スケートボード専門メディアにお任せする形で、比較的大きな出来事を記してみました。ここに記した事は〈DC SHOES〉、はたまたスケートボードやシューズの歴史のほんの一部です。もしこれでスケートボード・スケートシューズへ興味が湧いてくれたなら嬉しく思います。

 

奇しくも、明日、6/21は『全世界でスケートボードに乗ろう!』というスローガンのもとに始まった、”GO SKATEBOARDING DAY”です。世界各国はモチロン、日本でも各地のショップ、パークなどで色々なイベントが開催されている事だと思います。〈DC SHOES〉でもムラサキスポーツ・ボーダーズファクト原宿にてイベントを開催。詳細はDC SHOES FACEBOOKページをチェック! もし興味があるならば、近所のショップやパークを覗いてみるのも面白いかもしれません。

GLOBALSKATEJAM

『GO SKATEBOARDING DAYってなに?』って思われる方もいるかも知れませんが、このお話はまたの機会に。

 

DC SHOES FACEBOOK
https://www.facebook.com/DC.Shoes.Japan?ref=ts&fref=ts

 

■関連リンク:新ブランドの台頭 DC SHOES特集 中編

新ブランドの台頭 DC SHOES特集 前編

新ブランドの台頭 プロローグ

DCチーム1997

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