2015.10.18
スニーカー好きもファッション好きも楽しめる!?スパイ映画「キングスマン」が面白い!
久しぶりに、期待を裏切る(いい意味で)面白い映画を見ました。
■「キングスマン」
ロンドンの高級テーラー「キングスマン」が、実は悪の組織をつぶすエリートスパイ集団のアジトだったという設定。彼らは紳士的なスーツを身にまとい、なんともスマートに悪と戦っていく。
そんな中、IT富豪のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)が、世界中の人々の感情をコントロールし、互いを襲い合い、人類を減らすという恐ろしい計画を始める。そこで、新たなキングスマンのメンバーに、‘一見’ただのニートであるエグジー(タロン・エガートン)が選ばれる…
とまぁ、私は映画評論家ではないので、内容についてはこのくらいで。「キック・アス」のスタッフ再集結とあって、‘くだらなさも含めて’すごく良かった。グロテスクなシーンも多いのですが、そのシーンですらクスッと笑ってしまう。そんな映画でした。
ここに記事を書いたのは、スニーカーやファッションの観点から見ても面白いなぁと思ったからです。
キングスマンの制服でもある紳士的なスーツが注目されがちですが、エグジーがそれに着替える前の服装。彼はいつも、〈フレッドペリー〉のポロシャツに〈アディダス〉の上着。そして、スニーカーは、〈ナイキ〉や〈アディダス〉を履いています。
町山智浩氏のお話によると、英国紳士は巻き目をピシッと揃えて固く絞った細身の傘を常に持つ。英国は天気が悪い事で有名だが、雨でもその傘をささない。ではなぜ持つか?それは英国紳士のみぞ知る。#キングスマン pic.twitter.com/5uy2LNlyFL
— 映画『キングスマン』公式 (@kingsman_jp) 2015, 9月 13
実はこれ、イギリスに根強く残るイギリスの身分制を現しています。フレッドペリー(=イギリス)の上にアディダス(=アメリカ※)を羽織るというのは、一番低い階級であるワーキングクラスの若者の典型的な服装。そんな典型的ワーキングクラスファッションだったエグジーが、ひとつ上のアッパークラスのイギリス老舗ブランドの高級スーツを着る。最初はやはり違和感がある彼のスーツ姿が、段々なじんでいく様子は、ある意味シンデレラストーリーです。
(※厳密には、アディダスはドイツのブランドですが、今作では、アメリカの象徴として使われているようです。)
一方、エグジーの‘敵’であるヴァレンタインは、アメリカの象徴。かぶるのは、ハットではなく常に〈ニューエラ〉のキャップ。〈カルバンクライン〉に〈ラルフローレン〉、そして、足元は…これまた〈アディダス〉とアメリカづくし。
「キングスマン」の敵、リッチモンド・ヴァレンタインの装備。還暦過ぎにしては若い。ニューエラのキャップ、カルバン・クラインのセーター、ポロのトップスなど。しかし、この中に彼の計画を物語る非常に重要な物が隠されている。#キングスマン pic.twitter.com/MSloecRJAM
— 映画『キングスマン』公式 (@kingsman_jp) 2015, 8月 30
予告をいい意味で裏切り、ただのぶっとんだスパイ映画では無さそうな本作。
2度目を見る人が多いそうで、私ももう一度見たいと思っています。
そんな「キングスマン」、もう続編が決まっていて、来年4月から撮影予定だそうなのですが、なんと舞台に日本が選ばれる可能性が!!監督自ら「日本のゲレンデで撮影したい」と名言しているので、これはますます気になる…