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2016.07.18

スニーカー坂 vol.25 | 忍坂

スニーカーを履いて坂道を巡ります。

 

■ 「忍坂」台東区台東区上野公園・池之端3丁目

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忍坂です。上野公園敷地内にある坂道です。なだらかな勾配を下ると、その先は、不忍池となります。公園内で坂道というのは違和感を覚えるかと思いますが、江戸の頃は、公園ではなく、上野寛永寺という、巨大な寺でした。徳川家の菩提寺として、それは広大な敷地で、現在の上野公園ですら広い場所ですが、それを遥かに凌ぐ規模を誇っていました。今ではその面影を忍ぶことは皆無、度重なる戦災、震災により跡形も無くなりましたが、もし現存していれば、間違いなく世界遺産となったことでしょう。春になると花見の客で、大いに賑わうスポットですが、江戸の頃も同じで、その巨大な寛永寺を見に観光客がドッと集まる、現在で言えば、鎌倉の鶴岡八幡宮のような場所でした。そんな華やかな歴史がある反面、幕末には、上野戦争で戦地となった場所でもあります。武士の時代を終わらせた大きな戦であり、時代の転換となる場所です。そんなことに想いを馳せながら、忍坂を訪れれば、また違った味わいを堪能できます。

 

少し余談になりますが、世界の主要都市(歴史のある都市に限ります)には、何かしらの世界遺産たる建造物がありますが、残念ながら、東京には何一つありません。これは非常に稀有なことです。火災といった災害に弱い木造建築物を主とする日本建築が最大の要因ですが、さらに根底の話をすると、無宗教体質の日本人であることが原因であると考えらます。無宗教である日本人は、信仰といった概念がない分、物事に対する頓着が、他の民族と比べて希薄です。ようするに全てが実務的なのです。使い勝手の悪い古い建築物、生きていく上で、意味のない物事は、淘汰していくといった淡泊な思考回路を持ち合わせています。それとは相反して、狭い島国でありながら、自然遺産が多く点在します。それは元来、日本人が、信仰を自然の中で求めたことに由来します。山や川やそこに生えている草木すらも神様と拝めることが、日本創世記の信仰でした。やおよろずの神様とは、そのような観点から誕生したわけで、世界的に見ても稀有な文化です。そう考えれば、都市を形成している人工的な物事に頓着がないのも頷けますね。

 

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シンプルな坂道ですが、湾曲具合が当時の名残りを今に伝えています。

 

さてこの坂道にオススメなスニーカーはこちらです。

 

〈NIKE SPORTSWEAR〉   NIKE KWAZI    ¥10,800

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”カニエ・ウェスト”のシグネチャーモデルとして、2013年に、スニーカーファンから惜しまれつつも、廃版となった名作モデルである。「NIKE KWAZI」と名付けられたモデルは、「AIR YEEZY 2」とコンフォートシューズの雄である「ROSHE」をコンビネーションさせたかのような、フォルム、デザインにより、モダニティなバスケットボールスタイルが魅力的な要素となります。カラー展開は、5色展開でバリエーションが豊富なのも惹かれます。

 

スニーカーを履いて坂道を巡ろう。

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