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2016.07.11

LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)特集【第1章】 | スケート業界への快進撃の始まり

 

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『LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)』

 

スケートボードに興味がある人ならば、きっと一度は耳にした事があるブランド名ではないでしょうか? スケートボード業界への鮮烈なデビューから16年。昨今ではライフスタイル・ショップでの展開や提案も始まり、スケートボードショップ以外でも目にする機会が増えており、アンテナの高いスニーカーファンへも認知度が広がってきているのではないかと思います。

 

そんなスケートボードのために生まれたシューズ『LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)』にまつわるストーリーを、複数回に分けてお届けしてみたいと思います。

 

21世紀を目前にした、世紀末1999年。ノストラダムスの予言にあった、恐怖の大魔王が現れる事がなかった替わりに、スケートボード業界にはそれに匹敵するくらいの激震が走りました。当時のスケート界を牽引していた、トッププロのシューズスポンサー脱退と新ブランドの設立。そして当時、そのブランドでのサポートライダーの豪華なラインナップに、多くのスケーターが興奮した事は想像に難しくありません。

 

1994年に、THRASHER誌がその年に最も活躍したスケーターを選ぶ、『S.O.T.Y.(スケーター・オブ・ザ・イヤー)』を獲得。2011年にはUS Transworld Skateboarding.誌が選出した、『歴史上の最も影響力のあるスケーター30人』にも選出され、今でも大きな影響力を持つスケーターの一人でもある”MIKE CARROL(マイクキャロル)”と、同じ釜の飯(実際に喰ったかは不明だが)を共にし、複数のチームを共に渡り歩き、GIRL SKATEBOARDSを共同で立ち上げた”RICK HOWARD(リック・ハワード)”がスケートシューズブランド〈LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)〉を立ち上げたのだった。

 

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S.O.T.Yを受賞したMIKE CARROLL(マイクキャロル)が、カヴァーを飾った1994年発売のUS THRASHER誌と中面特集。(著者私物)

 


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MIKE CARROLL(マイクキャロル)

 

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2002年発売のTRANSWORLD SKATEboarding JAPAN Volume.2 Number.5に掲載された、LAKAIのEUツアー記事でのRICK HOWARD(リック・ハワード)。(著者私物)

 

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RICK HOWARD(リック・ハワード)

 

ブランド名の由来には諸説あって、 スケートボードの聖地でもあり、自分達のホームでもあるLA(LOS ANGELES)、CA(CALIFORNIA:後にKAに変更)に、I(I DIOTS:おバカさん達)を組み合わせ命名したとする一般的な説と、1984年にアメリカで公開されマイク・キャロルの好きな映画作品 “Children of the Corn.”で俳優『Courtney Gains(コートニー・ゲインズ)』が演じた役の名前であり、キャロルの別名でもあるという『MALAKAI(マラカイ)』から命名されたという説があります。

 

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原作は、スティーブン・キングの『トウモロコシ畑の子供たち』の劇場映画作品。

 

『LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)』を深く知るにあたって、覚えておきたい事前情報を少しおさらいしておきましょう。立ち上げから遡る事、6年前の1993年8月。この2人は所属していたスケートチームを脱退。友人でありBMX雑誌社で働いていた、”SPIKE JONES(スパイク・ジョーンズ)” “MEGAN BALTIMORE(ミーガン・ボルティモア)”らとともに、〈GIRL SKATEBOARDS(ガール・スケードボード)〉を立ち上げた際も、業界のビッグニュースをさらいました。当時スケート業界において巨大勢力であった〈WORLD INDUSTRIE(ワールド・インダストリー)〉傘下のブランドにスポンサードされていた彼らでしたが、チームの方針や待遇、ブランディングに疑問を抱き脱退。同じような志や、不満を持つトップスケーターの多くを巻き込み〈GIRL SKATEBOARDS(ガールスケートボード)〉は発足していきます。その後もこのチームを目指し数々の才能がこのチームに合流していき、90年代のスケートシーンでは揺るぎない大きな存在へと成長していくのです。

 

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名前の由来やロゴのルーツには、立ち上げ当時から諸説あるものの、スケーターなら誰しもが一目で分かる『女の子のマーク』がブランドのロゴ。2013年に〈GIRL SKATEBOARDS(ガールスケートボード)〉設立20周年キャンペーンの一環で、世界中のディーラーへ無垢のWOODEN OG人形が送られ、それを各国のアーティストがペイントした物を展示すると言ったプロジェクトで、友人アーティスト”VIX”が、ペイントした作品。

VIX : http://madvix.tumblr.com/

 

〈Girl〉の歴史的なオリジナルメンバーには、MIKEとRICKを筆頭に、”Jovontae Turner(ジョバンテ・ターナー)” “Guy Mariano(ガイ・マリアーノ)” “Rudy Johnson(ルディ・ジョンソン)” “Tim Gavin(ティム・ギャビン)” “Tony Ferguson(トニー・ファーガソン)” “Sean Sheffey(ショーン・シェフィー)” “Jeron Wilson(ジェロン・ウィルソン)” とサンフランシスコのレジェンドスケーターの名がずらりと並びます。

 

そんな中、〈GIRL SKATEBOARDS(ガールスケートボード)〉名義でリリースされた、94年の『GOLDFISH(ゴールドフィッシュ)』96年『MOUSE(マウス)』は、歴史に名を刻む名作スケートビデオとして多くのスケーターが記憶していると思います。

 

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93年~99年まで〈GIRL SKATEBOARDS(ガールスケートボード)〉〈CHOCOLATE SKATEBOARDS(チョコレート・スケートボード)〉の名義のビデオ作品に加え、秘蔵映像やCMをコンパイルし2007年に復刻されたDVD BOXセット。(著者私物)

 

当時、その勢いは留まる事を知らず、姉妹ブランドの〈CHOCOLATE SKATEBOARDS(チョコレート・スケートボード)〉を始め、〈ROYAL TRUCKS(ロイアル・トラックス)〉〈FOUR STAR CLOTHING(フォースター・クロージング)〉〈RUBY REPUBLIC(ルビー・リパブリック)〉〈SKATE MENTAL(スケート・メンタル)〉とグループ傘下ブランドを続々と増やし会社は拡大していきます。デザイナーやディレクターには、自身のチームメイトを起用するなど、スケートボードを共に楽しむ仲間のために、居場所や仕事を創出するカンパニーをいくつも立ち上げながらスケートボードを通じて組織を大きくしていきます。そんないくつもあるブランドの根底には常に『楽しむ事』が重要であり、彼らの映像作品やプロダクトにはそれらが大きく反映されています。若くしてプロの世界に踏み込み、業界からの抑圧を経験した彼らだからこそ、新しい環境を作る事にフォーカスしたのかもしれません。

 

99年当時、”MIKE CARROL(マイクキャロル)”と、”RICK HOWARD(リック・ハワード)”は共に所属していた〈DC SHOES〉を脱退。遂に自分達のシューズブランド〈LAKAI FOOTWEAR(ラカイ・フットウェア)〉発足に向けて大きく動き出していくのです。

 

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■More information
LAKAI FOOTWEAR JAPAN
B’s INTERNATIONAL 03・5768・3344
www.lakai.jp

■Photographs Provide
TRANSWORLD SKATEboarding JAPAN
and
YOSHIO YOSHIDA

 

 

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