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2017.01.7

スニーカー坂 vol.32 | 旅情編

スニーカーを履いて旅に出ます。

 

■ 「長野県・松本」

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秋ですね。そして冬ですね。って思っていたら気温が20度なんて日も、荒れております日本列島。ということで、小さい秋を見つけるために旅に出てみました。そうです、今回は坂道ではなく、旅編です。

 

縦に長い長野県の南西に位置する松本市、飛騨山脈や北アルプスといった日本でも有数の山々に囲まれた盆地である松本は、昔から交通の要所として栄えた町になります。地形的に言えば、北から、南から、大地がギュッと押し合い、盛り上がったことで標高の高い山が誕生したんですね。

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さて松本と言えば、松本城です。国宝に指定された国内でも数少ない城であり、災害や戦災から免れたことで、400年以上前のいわば、戦国時代の遺構を今に留めています。天守含め5層の城は圧倒的な存在感を放ち、高く積まれた石垣と黒漆で塗られた外装は、まさに威風堂々といった佇まいであり、他では見る事のできない姿を堪能できます。

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内部に入ると、魅せる城ではなく、戦う城としての痕跡をしっかりと残し、敵に囲まれた際に、城内から弓矢、鉄砲で射撃できるように作られた小窓や、石垣に人が上ってくるのを防ぐための石落としといったトラップ、城内に攻め込まれた際に、敵の進行を遅らせるために、あえて急勾配な階段を設置するなど、今にも甲冑を着た鎧武者が駆け回る姿が目に浮かぶ、盛り沢山な松本城に、興奮冷めやらぬ時間を過ごすことができたわけです。明治維新の折に、廃城命令で売りに出され、存続の危機に瀕した松本城を守り抜いた市川量造氏、小林有也氏には感服の思いです。

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松本城を後にして、車で60分ほど山道を行くと、上高地と呼ばれる、日本一標高の高い避暑地に到着。と思いきや、情報収集が甘かった。目論見が甘かった。なんとマイカーでの入場が不可能ではございませんか!?どうやら山道の途中で専用バスに乗り換え、そこから入場するとのこと。そんなこと知らへん・・・。時すでに夕暮れ、渋々諦め、秘境の白骨温泉というなんとも意味深な名称の温泉郷に到着。

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ここまで山奥に来ると紅葉はすでに終わりを迎え、辺りは冬景色、だって気温が7度。都心部では真冬の気温ですよ。白骨と呼ばれるに相応しい、真白な高濃度温泉を堪能。長時間のドライブで痛めた腰も癒され、帰路につきましたとさ。

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さてこの旅にオススメなスニーカーはこちらです。

 

〈Reebok CLASSIC〉 CLASSIC LEATHER  ¥9,720

 

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83年に誕生したCLASSIC LEATHER、昨今ではグラミー賞を受賞したケンドリック・ラマーをアイコンとしてプロモーションを行うなど、また注目を集めつつあるモデル。当時はランニングシューズとして活躍をしたが、ミニマムなデザインとレザーの重厚さによりファッションアイテムとしての需要は高く、カジュアルからドレスの外しとしても活用できる存在感は、一足は持っていたい代物。少し余談となるが、スニーカーはどこまでファッションなのであろうか。思うのだが、ファッションとしての要素よりも嗜好品の要素が強く感じる。それは玩具、絵画など、身に付けることで己を磨くといったファッション的観点ではなく、収集することで満足する、レアなモノを如何にして得るかといった、より内なる部分を満たすためだけの嗜好品なのではないだろうかと。今にみれば、男女問わずスニーカー=ファッションアイテムであるが、どこか無理を感じているのは、末端ながらもスニーカーに関わる仕事をしている性もある。写真や雑誌でファッションとして表現されたスニーカーを見ていると、矛盾や限界を感じて止まないのは、やはりスニーカーというアイテムの根源がスポーツ用品であり、そこから派生したマニアックな機能性。その機能性やウンチクを表現することがスニーカーのあるべき姿なのかもしれないと感じている。他のシューズで言えば、革靴は確信的にファッションをルーツとしているし、=ファッションの関係性はぶれることなく続いていくであろう。スニーカーを求めている、本来、需要がある場所は、スポーツ、オタク的観点を持った人々であるはず。まだ明確な答えが出ていないが、そう考えてしまう。

 

スニーカーを履いて旅をしよう。

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